都道府県別でみる訪日外国人・消費額ランキング!【マップ付き】

今回の記事では、観光業界における「訪日外国人」と「消費額」をキーワードに、トップ20の都道府県をランク付けしてみました。以下の3つのランキングとマップを用意しています!
2020年、日本国内の観光業界は大きく落ち込みました。2020年11月現在、海外からの渡航制限は段階的に解除されていますが、まだまだ予断を許さない状況です。観光立国を目指す日本は、2011年から2019年まで、9年連続で訪日観光客が増加していました。2021年には、東京オリンピックも控えています。訪日観光客がまた徐々に増えてくることを願いながら、2019年のインバウンド観光客に関する興味深いデータを見ていきましょう。
訪日外国人数のトップ20は、人気投票にも似た結果となりました。大都市の東京、大阪が1位、2位を占めています。国の玄関口となる東京ディズニーランドを有する千葉県、日本の歴史と文化が詰まった京都などが続きます。以下が「訪日外国人数が最も多い都道府県トップ20」をまとめたマップです。
マップを見ると、人気の都道府県が関東圏、関西圏にまとまっていることがわかりますね。以下のリストでは「訪日外国人数が最も多い都道府県トップ20」を上位から順に並べてみました。
数字を見ると、東京と大阪の訪日外国人数には、都市の大きさほどの差はないことがわかります。関西圏の強みとして、大阪にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンや道頓堀などのエンターテインメントが豊富にありつつ、京都や奈良の歴史遺産も近いことが挙げられるでしょう。
次に見るデータは、訪日外国人観光客の総消費額ランキングです。1位と2位は、旅行者数と同様に東京と大阪ですが、3位に北海道が入っています。毎年2月に行われる「雪まつり」は海外の観光客からも注目を集めるイベントで、ニセコは世界的にも有名なスキーリゾート地であることから、外国人観光客にとって北海道は魅力的な観光地のようです。以下のマップが「訪日外国人の消費額の合計が最も多い都道府県トップ20」です。
5位の福岡は、九州とアジアの玄関口という地の利があります。海の幸や温泉など、都会を離れてリラックスしたい人には最高です。6位の沖縄は海のアクティビティが楽しめるリゾート地です。ちなみに、北海道へのインバウンド観光客を国別で見ると、中国、台湾、韓国、香港、タイ、アメリカ、シンガポール、アメリカからの訪問者が多くなっています。下のテーブルに、「訪日外国人の消費額の合計が最も多い都道府県トップ20」を上から順に並べました。
1位の東京と2位の大阪の差が約2倍となっており、訪日外国人数のデータとくらべるとギャップが大きいことがわかります。
こちらのデータは都道府県内の総消費額ではなく、訪日外国人一人当たりの消費額を表しています。注目したいのが、1位に北海道、3位に沖縄がランクインしているということ。北海道ではパッケージツアー、沖縄では飲食費の消費額が大きくなっているのが特徴です。北海道は、夏は涼しい気候の中で大自然を体験でき、冬はスキーなどのウィンタースポーツが楽しめます。以下のマップが「訪日外国人一人当たりの消費額が最も多い都道府県トップ20」です。
ちなみに、一人当たりの算出方法としては、都道府県間の交通費は含まず、「パッケージツアー等参加費に含まれる訪問地収入分」が含まれているとのこと。北海道が1位であることも、納得です。
また、このデータでは、累計消費額で18位だった埼玉が4位に浮上しているのも大きな特徴です。埼玉はキャンプやラフティングなど、自然の中で楽しめるアクティビティも豊富です。さらに、埼玉・川越は「小江戸」とも呼ばれ、レトロな街並みを楽しめる観光地。その古風な街並みに合った和風デザインの「スターバックスコーヒー 川越鐘つき通り店」は、スターバックスが発表した「2020年に訪れるべき世界の20店舗」に選ばれました。店内では日本庭園を見ながらコーヒーを楽しむことができます。
以下のテーブルは、訪日外国人一人当たりの消費額が最も多い都道府県トップ20をテキスト化してまとめたものです。
一人当たりの消費額で見ると、他のランキングとくらべて東北の宮城、新潟、山形、青森、さらには北関東の群馬、茨城のような、観光客自体は少ない県も多くランクインしているのが分かります。東北には温泉のある日本旅館も多く、特にアジアからの訪日リピーターが多いと言われています。茨城や群馬は東京からアクセスがしやすく、茨城は平均宿泊数が10.3泊の全国第2位、群馬は草津温泉や伊香保温泉といった有名な温泉があることで知られています。
2020年、訪日観光客は激減しましたが、2020年後半から日本入国の規制緩和が徐々に始まりました。ただし、国によってはLCCの減便などで、とりわけ九州や東北などの地方都市に安価で訪れることが難しくなるなど、課題も多くあります。
2021年は、東京オリンピック開催の年でもあります。夏に向けてインバウンド業界が回復し、日本各地が外国人観光客で賑わう日が戻ってくることを期待しましょう。